5年生11月のSAPIXオープンは、国語の平均点が61点(150点満点)、得点率41%という衝撃の数値でした。内訳は、論説文33%/物語文41%、知識・選択肢問題56%/記述問題17%です。とりわけ、5つの記述問題の得点率の低さ(13~25%)が目立ちました。
論説文では、傍線部から離れた場所にある「解答の要素」を見つけ、まとめる記述問題でした。離れた場所から「解答の要素」を見つけるには、文章の構造を理解する(俯瞰した)読みが必要です。一読で線引きができていないと、時間内に書くことが難しかったでしょう。
(「国語の『線引き』に正解はある?」をご参照ください。)
物語文では、認知症の曾祖母を持つ少女の心情が問われました。近しい経験のない子供には理解し難い設定のうえ、嫉妬やうしろめたさの感情も加わり、複雑さが増し増しです。長い本文に回想シーンも挟まれていて、混乱を招いたかもしれません。
選択肢問題は、最後の2択の違いが微妙になっていて、正答率を下げました。勘で答える子供がちゃんと間違えるように、紛らわしい選択肢には、もっともらしいキーワードが含まれています。ひっかけの罠に落ちないために、本文から「解答の根拠」を見つける訓練を続けましょう。
(「国語の成績が安定しない!その原因は?」をご参照ください。)
このように、5年生後期は国語の難易度が急上昇します。他塾のテストとは、明らかにレベルが異なる問題です。それでも、記述問題に慣れているSAPIX生が、ここまで書けないレベルにする必要があるのか、疑問です。「これからの厳しいカリキュラムを覚悟してほしい」という出題者の気持ちの表れでしょうか。
(「5年生の後期は国語の難易度も急上昇①」をご参照ください。)