過去問からわかること《淑徳与野の場合》

淑徳与野は浄土宗の仏教校で、仏教に基づく心の教育と、国際舞台で活躍する女性の育成に、力を入れています。埼玉では浦和明の星に次ぐ難関女子校であり、交通アクセスの良さもあって、第1回入試(1月前半)には1,500名もの受験生が集まります。2024年から医進コースが新設され、さらに人気が高まりました。

 

淑徳与野の国語には、第1回入試にのみ、100字程度の自由記述がありました。約10分で自分の考えをまとめる表現力が問われるので、苦手な子供もいたでしょう。2024年から形式が変わり、自由記述がなくなって、第2回入試と同じ50分に短縮されました。特別な対策が不要になり、他校との併願もしやすくなったと思います。

 

出題はオーソドックスに物語文と論説文ですが、その出典に特徴があります。物語文では、最近の作品だけでなく、遠藤周作(1923-1996)・岡本かの子(1889-1939)など一昔前の作品も出題されました。上位校で問われる「境遇が異なる他者への理解」であり、様々な時代背景の作品に慣れておくことが必要でしょう。

「上位校の入試問題はなぜ難しい?」をご参照ください。)

 

論説文では、哲学など抽象度の高いテーマが出題され、大人でも付いていくのが難しい論理展開もあります。記述問題は減りましたが、字数制限のないタイプから、60字・90字など長めの字数制限に変わりました。時間配分や字数調整を、過去問でしっかり練習しておきましょう。

「国語の過去問は『できるだけ多く、できるだけ早く』」をご参照ください。)