早稲田大も共通テストを重視?

前回(「東大が共通テストを重視に変更?」)に続き、大学入学共通テストの話題です。早稲田大学が2025年入試から、共通テスト必須の学部を増やします。従来の政治経済学部・国際教養学部などに加え、社会科学部・人間科学部も共通テストが必須となるのです。

 

センター試験から大幅に難化し、私立大志望者の離反を招いた共通テストですが、早稲田大学での必須化の動きは、これに逆行します。東大・一橋大との併願者が有利になり、国・英・社の私立文系型には不利に働くと予想されています。一方、中学入試には、どのような影響があるでしょうか。

 

中学入試の問題は、既に共通テストの影響を受けており、この傾向がさらに強まるでしょう。つまり、問題文が長くなる、複数テキストを関連づける、対話文(太郎・花子問題)が出る、ということです。長文を一読で理解し、高速で情報処理する、大人でも難しい能力が求められるのです。

 

私は、じっくり考えることが思考力を高めると思うので、スピード重視の傾向には反対です。しかし、受験生の立場では、出題される以上、対応せざるを得ません。中学受験のカリキュラムは「やり過ぎ」と批判されますが、その元には大学入試があります。残念ながら、早稲田大学の動きは、これに拍車をかけることになるでしょう。