東大が共通テストを重視に変更?

東大が「2025年入試から第1段階選抜(共通テスト通過)を厳格化する」と発表しました。これまで最大8,600人程度が2次試験に進めたのが、約▲1,000人(▲13%)減ることになります。東大によると、採点にもっと時間をかけたい、2次で大逆転はほとんどない、基礎的な勉強をきちんとしてほしい、とのことです。

 

この変更について、東大が共通テストを重視しているのか、様々な見方があるようです。東大入試の配点は(共通一次試験・センター試験の時代から)1次:2次が1:4ですから、共通テストを重視するなら、まずこの比率を変えるでしょう。今回はあくまで、入試業務負担と優秀学生確保の費用対効果を考えて、決めたのだろうと思います。

 

一方、受験生から見るとどうでしょう。少なくとも今までよりは、ライバルの受験生が共通テスト対策に力を入れそうです。そうなると、1次の失敗リスクを減らすために、共通テストの準備に万全を期す必要があり、受験生の負担は大きくなってしまいます

 

2021年にスタートした大学入学共通テストには、批判的な意見が多くあります。科目数が増える、仕組みが頻繁に変わる、特別な対策が必要になる、長文化やひっかけで難易度が調整される、等々です。高速処理に慣れた中学受験生、進度が早い中高一貫校生に、ますます有利な状況が続くと見込まれます

「共通テストの難化で中学受験がより重要に?」をご参照ください。)