SAPIXテスト論説文が慶應女子高の入試問題と同じ!

6年生4月のSAPIXオープン(選択肢問題)の論説文は、内田樹さんの『日本習合論』でした。内田樹さんの文章は、2016年の東大現代文で出題され、近年の大学入試では頻出です。リズミカルな表現と骨太な内容に、久しぶりに感銘を受けるとともに、これを小学生に読ませるのか!と驚きました。

 

本作品は、農業と市場の原理が相容れないことを、「農業=需要に上限のある生産活動」、「市場=需要に上限がないシステム」との対比で論じます。私も大学院まで経済学を学び、合理的な個人を前提に数式化する手法に疑問を感じていたので、奥が深いテーマだと思いました。大学入試の現代文・小論文でも、おかしくない内容です

 

実際、慶應女子高校の2022年入試で、同じ箇所が出題されました。驚くことに、その本文の長さは、SAPIXオープンのおよそ半分!です。このような本格的かつ長い論説文に、11歳の子供たちが食らいつき、60%の正解率で解答するのですから、立派なものだと思います。

 

中学受験には「子供に無理をさせている」との批判があります。レベルに合わない無理はいけませんが、ゴールデンエイジに正しい読解を身につけることを、私はおススメします。入試では合格/不合格の「結果」を突きつけられ、残酷に思われるかもしれません。しかし、長い人生で見れば、そこに至る「過程」で身につけた様々な力が、素晴らしい財産になるでしょう

「ゴールデンエイジに基礎学力を」をご参照ください。)