SAPIXの6年生は、4月はマンスリーとオープンの2つのテストがありました。物語文の出典は、マンスリーが如月かずささんの『給食アンサンブル』、オープンが吉野万里子さんの『いい人ランキング』です。どちらも女子中学生が主人公で、女子校の入試で多く出題されています。
前者は、主人公が意地を張って悪態をつくものの、優しいクラスメイトに受け入れられる場面。後者は、主人公に非がないのに、クラスメイトの妬みから、いじめに遭う場面です。女子同士の人間関係が描かれ、男子小学生は「女子ってめんどくさ!」と思ったでしょうか。
中学入試の物語文で「友情と信頼」は頻出テーマです。舞台が中学・高校であることも多く、大人が読めばあるあるでも、小学生には未知の世界です。早熟で精神年齢が高い子供に有利なので、女子の平均点が高かったのかもしれません。
では、幼い男子はどうしたらよいでしょう。登場人物の心情を見逃さないように、物語文でも「線引き」が大切です。振り返りでは、答案用紙だけでなく、問題用紙をチェックしてください。論説文の線引きはできても、物語文ではストーリー展開に引っ張られ、線引きできていないのではないでしょうか。
(「物語文の『線引き』のポイントは?」をご参照ください。)