注目される東大「現役」合格率

2024年の東大合格実績において、話題の中心は「100名」に達した聖光学院でした。現役合格率(現役合格者÷卒業生)38%は、開成の29%を超え、筑駒の43%に迫ります。東大合格者全体で見ると、現役生の割合は、30年前(1994年)の63%から、74%に上昇しました

 

現役合格が増えた背景に「先取り学習」があります。数学の場合、中高一貫校では中3から、鉄緑会では中2‼から、高校数学に入ります。鉄緑会の指定校なら、学校の努力にかかわらず、ある程度、東大合格者を生み出せるメカニズムのようです。

 

女子の割合も増加傾向で「20%の壁」を超えるようになりました(後期・推薦を含む)。浪人すれば東大に合格できそうな生徒が、現役で早慶などへ進学する流れもあります。どちらも多様性の観点から、よいことでしょう。アメリカにおけるハーバード大や、イギリスにおけるケンブリッジ大は、日本における東大ほど一極集中ではありません。

 

もちろん大学進学がゴールではなく、本気で学問をしたければ、大学院から東大や、海外の大学院も選択肢でしょう。「受け身の姿勢」が身についてしまうような、過度な先取り学習には賛成できません。現役合格にこだわって、中高6年間を勉強漬けで過ごしてしまうのは、寂しい青春だと思います

「塾の課題に追われて『受け身』になっていないか?」をご参照ください。)