「中学受験はコスパが悪い」は本当か?

「中学受験はコスパが悪い」という記事がありました。大学進学を決めるのは、中学校以降の学習なので、進んだカリキュラムを手にするなら、進学塾に通えばいい。自我や認知能力が未発達な小学生に、多くの情報を詰め込んで優劣を決める中学受験は、子供の将来を捻じ曲げてしまう可能性がある、とのことです。

 

教育をコスパで語ることの是非はさておき、大切なのは勉強の中身でしょう。近年の中学受験は、知識から思考力へ、内容が大きく変化しました。特に国語と算数の学習によって、10歳から12歳のゴールデンエイジに論理的思考力を鍛えることは、一生役立つスキルとなり、むしろコスパは高いです

 

記事では、トップクラスの公立高校への進学が推奨されていましたが、地域により事情は異なるので、公立中学の学習内容を確認してください。少なくとも東京都は、中学受験で上位層の多くが抜け、タイパの悪い授業・課題が多くなります。内申点が大きく、授業態度・副教科・課外活動までおろそかにできないプレッシャーも、子供たちを悩ませています。

「高校受験は中学受験より大変?」をご参照ください。)

 

一方、中学受験では、塾の課題に追い立てられることや、レベルが合わず自己肯定感を下げてしてしまうことに、注意しなければなりません。これは、中学受験が悪いのではなく、周りの大人の接し方の問題です。子供一人ひとりの発達段階に合わせて、地力を伸ばす、幸せな中学受験にしてください。