前回(SAPIX組分けテストに見る「国語は時間との闘い」)の続きで、選択肢問題を「早く解く」ヒントを説明します。SAPIX新6年組分けテスト(3月)大問3(論説文)から、正答率が最も低かった「問8」を例にしましょう。これは、筆者の主張の「理由」を選ぶ問題でした。
【ヒント1】事前の「線引き」が重要
選択肢問題で正答率を上げるには、本文中に「解答の根拠」を見つけなければなりません。しかし、時間に追われるテストでは、この作業がおざなりになってしまいます。早く「解答の根拠」を見つけるために、事前の「線引き」が有効です。どこに何が書いてあるか、文章の構造を理解する目印になるからです。
(「論説文の『線引き』のポイントは?」をご参照ください。)
問8では、文章の構造を理解すれば、「解答の根拠」は傍線部の後ろの2つの段落にしかないとわかります。探す場所を限定できるので、時間短縮につながるのです。
【ヒント2】選択肢を読む前に「解答の要素」を考える
設問の指示を理解したら、すぐに選択肢を読むのではなく、先に「解答の要素」を考えます。正解の選択肢に含まれるであろう、中心となる要素だけでよいです。漫然と選択肢を読み始めると、不正解の選択肢に思考を引っ張られるリスクがあるからです(特に長い選択肢の場合)。
問8では、傍線部の2つ後ろの段落にある「自分の能力以上の自由」が中心となる要素だとわかります。それが含まれるものを選ぶと意識してから、選択肢を読み始めるのです。
以上の2つは「選択肢を読む前」のヒントでした。次回は「選択肢の読む時」のヒントを説明します。