上位校の入試問題はなぜ難しい?

埼玉は1月10日の栄東から、千葉は1月20日の市川から、上位校入試が本格化します。既に終了した海陽(特別給費)は、四谷大塚偏差値71の難関校です。早速、学校と四谷大塚から解答が公表されており、両者を比べてみました

 

記述問題では、解答の要素に違いがありました。問の立て方によって、解答に幅が生じることはあり得ます。したがって、記述問題では「一つの模範解答に固執しない」ことが大切です。

 

一方、選択肢問題や抜き出し問題では、学校と四谷大塚で解答が分かれたものがありました。学校公表が正解になるのでしょうが、専門家でも解答が分かれるような問題は、小学生の国語力を測るのに適当とは思えません。迷って時間を使ってしまった受験生が気の毒です。

 

物語文は、小池昌代さんの『くたかけ』でした。主人公は未亡人のシングルマザーで、高校生の娘の心情も読み取らなければなりません。登場人物が小学生男子からほど遠く、精神年齢が幼いと難しかったでしょう

 

このように上位校の入試では、「バックグラウンドが異なる他者への理解」が問われます。「大人の思考ができるか」で差がつくでしょう。SAPIXなどでは5年生の後期から多く扱いますので、この時期から急に国語が難しく感じるのです。

「5年生の後期は国語の難易度も急上昇①」をご参照ください。)