5年生の後期になると、塾の内容が一気にレベルアップします。多くのご家庭で「ついていくのが大変!」と悲鳴が上がる時期なので、国語の教材を見てみましょう。SAPIXのBテキストは、大量の記述問題に定評があり、難関校への高い合格実績を支えています。
物語文では、「時代や年齢が異なる」登場人物の心情を問われます。今の子供にとって、戦前や戦中の生活様式は、まるで「別世界」です。精神年齢がまだ低い子供の場合、共通点が少ない他人の心情を読み取るのは難しいでしょう。
記述問題の解答では、結論につながる「理由」まで書いて、内容を膨らませるようになります。例えば、不安な気持ちを答える時、ただ「不安な気持ち」で済ませるのではなく、
✅その気持ちに至る経緯(きっかけ)
✅どういう種類の不安か(「戸惑い」か「恥ずかしさ」か)
を書き加えます。出来事を短くまとめる要約力や、適切な言葉を当てはめるボキャブラリーが求められるのです。
論説文では、「具体」と「抽象」を行き来させる問題が増えます。具体例が何を説明するために書かれているか、答えられなければなりません。抽象度の高い言葉を使って記述問題の解答を作れるのは、一部の上位層に限られるでしょう。
次回に続きます。