「格差社会の縮図…医学部受験で都立日比谷高校が高い実績を出せる理由」という記事がありました。富裕層以外の家庭では医師を目指すための学費捻出が厳しい中、都立日比谷が大学受験に直結した教え方ができる教員を多く採用し、国公立大医学部合格者で麻布に迫っているそうです。
我が家も国公立大医学部生がいるので、身につまされる内容です。中学受験に約300万円、私立中高に約600万円、大学受験に約300万円かけた後、私立大医学部の平均3,000万円を超える学費には、とても耐えられません。たとえ国公立でも、一人暮らしをさせたので、学費に諸々の生活費が加わり、6年間で約1,500万円かかりました。
国公立の医学部を目指すと、受験校は全国各地に広がります。一次試験(共通テスト)の結果次第で、東西南北どの方角へ向かうか決まるので、ギリギリまで先が読めません。学力だけでなく、資金力と情報分析力、さらに胆力・とっさの判断力も必要な戦いなのです。
医学部受験は、実質的に「職業選択」です。ひとたび医学部を目指すと、他学部を併願するモチベーションの維持は難しく、多浪生を生み出す原因になります。記事によると、国公立大医学部の現役合格率は、日比谷5割、麻布6割、桜蔭8割とのことでした。都内最優秀層を集める日比谷でも、先行している中高一貫校の生徒に追いつくのは容易ではないのでしょう。