「SAPIXはなぜ保護者が大変なのか?」問題

「SAPIXはなぜ保護者が大変なのか?」という記事がありました。既に知られたことではありますが、テキストの整理、大量の復習・宿題、講師への質問に、悩むご家庭が多いとのことです。それでも、以下の点を踏まえ、やはり難関校を目指すならSAPIXをまず検討すべきとされていました。

✅圧倒的な合格実績と、難関校に必要な思考力・記述力を育てるテキスト。

✅家庭の負担が大きく、特に(父親が伴走していない)フルタイムワーカーの母親が苦戦。

✅夫婦でやることを分担し、効率的に伴走する方法を模索すべし。

 

裏を返せば、難関校以外なら、SAPIXが第一選択とは限らないのでしょう。程度の差はあれども、親がどこまでフォローできるかは、集団指導塾に共通する課題です。SAPIXでは、それが極端な形で表れるのです。これまで「過去問からわかること」シリーズで紹介したとおり、過去問を分析すれば、学校ごとに、どれくらいの難易度の教材に取り組むべきかわかります。選択肢が中心か、記述が中心かによっても、積むべきトレーニングが変わります。

 

さらに、同じ記述問題でも、求められる「解答の深さ」に違いがあります。記述問題の模範解答を見て、こんな単純な内容でいいの?と疑問に思ったことはありませんか。この場合、「深読みしなくてよいが、正しい日本語にまとめる」ことが求められています。一方、深さを求める学校では、「抽象度の高い内容を、本文にない言葉も使いながら解答する」ことが必要になり得ます。当然、積むべきトレーニングも変わるので、親が見極めるか、専門家に頼るか、考えなければなりません。

 

間違った取り組みで大変な目に合うのは(保護者でなく)子供であり、一番大切なのは、子供に無駄な負荷をかけないことです。以前のブログ「レベルの合わない問題に当たり続けるのは危険」でも、学力や発達段階に比べて、難しすぎる問題に当たらせると、子供の心に大きな負担となるリスクを説明しました。子供が自己肯定感を下げて苦しまないように、親の責任で適切な教材を選んでください。