過去問からわかること《共立女子の場合》

共立女子も、明治から続く伝統校で、2006年度から完全中高一貫校になっています。国語指導に定評があり、近年は「国語表現」という少人数授業で、論理的思考に基づく表現力を養うことに力を入れています。受験者数は多いものの、実質倍率は2倍強であること、理社は各50点で配点が少ないことから、各100点の国語・算数の基礎を固めれば、番狂わせは少ないでしょう。

 

共立女子の国語は、試験時間が45分と短めで、大問が5つあります。前半の3問は、①漢字、②文法・ことわざなど知識、③詩、の特徴的な構成で、同校のこだわりを感じます。時間に対して量が多いように見えますが、後半の2問の読解は、本文が短く、小学生でも理解しやすいテーマなので、時間が足りないことはないでしょう。難問は少なく、高得点を争う試験です。

 

選択肢問題が多いことから、丁寧・慎重な読解が求められます。ひっかけはないので、「本文に解答の根拠を見つける」地道なトレーニングを積むことで、得点が安定し、失敗を防げるでしょう。記述問題は2題しかなく、40字程度と短めで、素直な設問です。下書き用のマス目がついていて、出題者の優しさが感じられます。したがって、大量の記述問題に取り組む必要はないでしょう。

 

このように、共立女子の国語は、「詩が出る」・「物語文が出ない場合がある」といった特徴を踏まえる必要はあるものの、難問に取り組む必要はなさそうです。詩も選択肢問題ですから、過去問でパターンに慣れていれば大丈夫でしょう。基礎を固めることによって十分対応できるので、努力が報われやすい学校だと思います。