前3回を通じて、国語の「線引き」について説明しました。重要なのは、印をつけながら文章を「精読」することであり、この技術は、大学入試でもそのまま活かすことができます。特に、中学受験国語(論説文)の解き方は、東大現代文(2次試験)でも同じと言って差し支えありません。
東大2次試験の国語は、文系が4問/120点、理系が3問/80点で、現代文が配点の約半分を占めます。題材はもちろん難解ですが、論説文の精読に必要なポイントは「①接続語・②意味段落・③抽象度が一段高い言葉」、プラス「指示語・定義づけ」であり、中学受験国語とまったく同じです。
精読により「平面に書かれた文章の構造を立体化して理解する」、この点もまったく同じです。論説文を読む時は、自我や主観を消して、筆者の考えを「聴く」ことに徹します。ゴールデンエイジの10歳ないし12歳から、こうしたトレーニングをどれだけ積んできたかが、大学入試でも問われるのです。
したがって、大学入試の現代文においても、ポテンシャルは子供の頃からの積み重ねです。国語の勉強は、全教科の基礎となる「筋トレ」だと思って、すぐに効果があらわれなくとも、コツコツ継続しましょう。