中学生に国語を勉強する時間はない!

中学入学後、国語の勉強時間はぐっと減ります。理由は単純で、他の科目の勉強が大変だからです。国語の勉強は即効性が感じられず、精神年齢が上がると自然に国語力も上がるので、「やってもやらなくても同じ」、「タイパ(タイムパフォーマンス)が悪い」と感じてしまうのです。

 

特に、2021年に改訂された中学英語には驚かされます。以前と比べて、中学3年間で覚える単語量は1.5倍(1,200語→1,800語)に増えました。しかも、小学校で600語くらい学んでいる前提なので、実質は2倍(2,400語)です。文法は中3で仮定法まで入りますが、文法偏重を批判されたトラウマからか、説明は極めて淡白です。一方で「聞く」・「話す」が重視されるので、文法を知らずに会話をさせられ、カオスに陥る生徒が多くいます。

 

この英語教育の是非はさておき、とにかく中学生の勉強において、国語の優先順位は低いです。ようやく国語の番が回ってきても、古典もやらなければならないので、論理的思考力を養う現代文の時間は(悲しいかな)ほんの少しです。したがって、生きる力である論理的思考力を養うため、小学生の間に国語のトレーニングをしっかり積んでほしいと思います。

 

国語力は全教科の成績に影響します。なぜなら、中学受験に限らず、入試では全教科で暗記ものが減り、問題文が長く・複雑になっているからです。幸い、ほとんどの中学受験では、国語の配点は(算数と同じで)最大を占めます。中学受験で身に付けた国語力は、大学受験に止まらず一生ものですから、長期戦略で考えても、国語の重要性に疑う余地はありません。