ゴールデンエイジに基礎学力を

前回、高校受験との比較で「普通の子供ほど中学受験をした方がよい」と書きました。これは、子育てにおいて最も貴重なゴールデンエイジ(子供の能力が急速に発達する10歳から12歳)をどう過ごすか、という問題でもあり、その後の人生に大きく影響します。

 

ゴールデンエイジに注力するものとして、運動・勉強・英語・芸術などが思いつきますが、その優先順位はご家庭の方針次第です。私は、普通の子供ほど「運動」と「勉強」を優先するべきと考えます。「運動」については、全ての活動のベースに体力があり、受験でも最後は体力がものを言うので、中学受験があってもギリギリまで続けることを推奨します。

 

「勉強」については、ゴールデンエイジに基礎学力を付けることで、その後の高等教育という建物を建てる「土台」ができあがります。国語・算数・理科・社会の「基礎」を、タテヨコ・まんべんなく勉強することが大事です。中学受験の勉強は、12歳の子供の能力を最大限引き上げる体系が確立しているので、これを利用することが最も近道です。

 

このように考えれば、「偏差値が低いから中学受験をするのは無駄」という発想にはならないと思います。皆で「中学受験マラソン」を走っているのですから、平均ペースで走れても、偏差値は上がりません。「偏差値が変わらないのは、実力が伸びている証拠」だと理解してあげてください。